結論:まずは「推奨度が高い治療」から検討するのが安全
AGA(男性型脱毛症)は進行性で、基本は“進行を抑える治療”+必要に応じて“発毛を促す治療”の組み合わせになります。日本皮膚科学会ガイドラインでは、代表的な推奨治療としてフィナステリド/デュタステリド(内服)、ミノキシジル外用が挙げられています。
SNSでよく見るAGA治療法まとめ(メリット・デメリット一覧)
| 治療法 | 期待できること | メリット | デメリット/注意点 |
|---|---|---|---|
| 内服薬(5α還元酵素阻害薬) 例:フィナステリド/デュタステリド |
DHT(脱毛に関与するホルモン)を抑え、進行を遅らせる | ・ガイドラインでも中心的治療として扱われる ・「まずはここから」が選びやすい |
・継続が前提になりやすい(中止すると元の進行に戻り得る) ・副作用や禁忌の確認が必要(医師管理推奨) |
| ミノキシジル外用 | 毛の成長を後押しし、発毛を促す | ・ガイドラインで強く推奨(推奨度A) ・内服薬と併用されることも多い |
・かぶれ等、皮膚トラブルが起きる場合がある ・効果判定に時間がかかることがある(数か月単位) |
| ミノキシジル内服 (通称:ミノタブ) |
発毛目的で使われることがある(医師判断) | ・外用が合わない人が検討するケースがある | ・日本ではAGA目的での承認薬ではない扱いになりやすい点に注意 ・副作用リスクがあるため、自己判断は避ける |
| 頭皮への注射 (成長因子など) |
クリニックにより様々(成分・回数・理屈がバラバラ) | ・「やっている感」が出やすい(心理的には選ばれやすい) | ・治療法が標準化されにくく、長期データが十分でないことがあ ・高額になりやすい |
| 女性ホルモン剤の塗布 など“ホルモン系” |
AGAに対する適切性はケース次第 | ・特殊な病態で医師が判断する場合を除き、安易に選ぶ理由は少ない | ・AGAの主因はDHTが関与するため、自己流ホルモン介入は危険 ・まずは医師の診断を優先 |
| 自毛植毛 | 薄い部位に毛を移植し、見た目を改善 | ・薬のような全身副作用が比較的少ないとされる ・生着すれば“見た目の改善”が早い |
・AGAは進行性のため、移植部以外が進むと不自然になり得る ・結局、内服薬等の併用が提案されることもある |
「結局、一生飲み続けるの?」への考え方
知恵袋でもよく出る疑問がここです。AGAは進行性なので、内服薬などの治療は“やめると進行が再開し得る”という性質があります。だからこそ、現実的には次のように考える人が多いです。
- 優先順位が高い期間(20〜40代など)は治療を継続し、状況を見て調整する
- 満足ラインに到達したら維持量・維持プランを医師と相談する
- 副作用やライフプラン(妊活など)がある場合は最初から医師管理で安全設計
失敗しにくい進め方(迷ったらこの順番)
- まず診断:AGA以外(円形脱毛症、甲状腺、栄養、皮膚炎など)の可能性を除外
- 第一選択:内服(フィナステリド/デュタステリド)+必要に応じてミノキシジル外用を検討
- 評価は最低3〜6か月:短期で結論を出しすぎない
- 注射・高額施術は後回し:根拠と費用対効果を冷静に比較(メニュー名ではなく“中身”を見る)
- 植毛は「完成」ではなく「設計」:進行を見越した全体設計(将来の薄毛も含む)が大事
よくある質問
Q. SNSで「注射が最強」「これだけでOK」と見ました。本当?
“最強”という断言ほど注意が必要です。注入療法は内容が多様で、長期のエビデンスが十分でないケースもあります。まずは推奨度の高い治療から検討し、必要があれば上乗せの位置づけで比較する方が安全です。
Q. 市販のミノキシジル外用はどうですか?
外用ミノキシジルはガイドラインでも推奨されています(推奨度A)。ただし肌トラブル等もあるため、合わない場合は無理せず医師へ。
Q. 結局、何が“正しい治療”ですか?
一般論としては、ガイドラインで推奨されている治療を軸に、年齢・進行度・体質・予算・副作用リスクで最適解が変わります。自分に合う形に“設計”するのが正解です。
まとめ
- AGAは進行性。まずは推奨度の高い治療(内服+外用)から検討するのが安全。
- 注射・高額施術は“名前”より根拠・中身・費用対効果で判断。
- 植毛は強力だが、進行を見越した長期設計が重要。
不安がある場合は、無理に自己判断せず、専門の医療機関で「AGAかどうか」「どの段階か」から確認するのがおすすめです。



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